


全曲を通してプログラミングされた曲調でfrom the choirgirl hotelの延長上の作品であることに間違いないと思う。ただし、from the choirgirl hotelで聴かれたエレキギターの音は影が薄い。
このアルバムからファースト・シングル(US)として発売されたM1 Blissはいつ聴いても名曲だなと思う。「お父さん、私はサルを殺してしまったの…春の甘さを味わうために…」という凄い歌いだしで、サビの部分もどすの利いた声で格好良い。今でもよくライブで取り上げているだけあり、PVはライブ映像を編集したもの。
セカンド・シングル(US)に選ばれたのは、アルバム・ラストのM11 1000 oceans。Toriらしいピアノを全面に出した美しい曲。PVはガラスの箱に閉じ込められたToriが街中を歩く人に向かって歌い、見つめるというきれいな映像。
イギリスで唯一発売されたファースト・シングル(UK)はM4 glory of the 80's 。明るい曲調で80年代賛歌でもあり、また80年代の悪行を暴くような内容でもある。PVは魔女のようなメイクに黒尽くめのToriが鎖に繋がれて、途中狐や赤ちゃんに変身して、最後は鎖から解かれて飛び立つという幻想的な内容。
サード・シングル(US)はM3 concertina 。アルバムとシングルではヴァージョンが異なる。私はコーラスのきれいなシングル・ヴァージョンが好き。この曲のPVは制作されなかった。
シングルにならなかった曲で好きなのは、M10 spring haze 。4/4拍子→3/4拍子→6/8拍子→7/8拍子と拍子が入乱れているが、耳で聴くと自然に流れる美しい曲調で、聴くとほっと安心する。ピアノのみでライブ演奏しているものも格好良い。
Plugged Tourは後にライブアルバムを制作するために全公演を録音したそうで、ここに収められているライブ音源は選りすぐりの名演奏。バンド演奏している曲とピアノ弾語り曲とが混ざっている。
M1 precious things 後にも先にもこの演奏を超えるprecious thingsを聴いたことが無い。マット・チェンバレンが叩くドラムは、Toriのピアノを助けて、雷のような迫力を演出している。低音から中音そして高音へと自由自在にコントロールされたヴォーカルは、神業以外の何物でもない。アルバム・ヴァージョンよりこちらを好きという人も多いのではないだろうか。それ位この演奏はずば抜けている。
M3 Cornflake Girl Toriの超絶技巧ピアノ演奏を堪能出来る曲。歌いながらこれだけ弾ける人は、中々いない。ヴォーカルもとても良い。
M5 Girl Toriが10代の頃、仲の良かった女友達について歌った曲で、こちらも良い演奏。
M6 cooling SparkのシングルにB面曲として収録されていた表題曲のライブ演奏ヴァージョン。ピアノ弾語りで、私はスタジオ録音よりこちらが好き。その後、Toriはずっとライブでこの曲を取り上げている。
M7 mr. zebra ファンに人気の高いmr. zebra。こちらもピアノ弾語り。短い曲だがこれもまた名演奏でかわいい。
M8 cloud on my tongue このライブ・アルバム中、一番好きな演奏。心にぐっと訴えてくる「声」がすばらしい。
M12 Waitress アルバム・ヴァージョンに比べてかなり長い。超ロング・ヴァージョン。「同僚のウェイトレスを殺したい、殺意を抱く自分自身も恐ろしく、殺したい…」という歌の内容どおり、緊張感が漲っており格好良い。
これ以外の曲も良い演奏なのでおすすめ。残念なのは各曲が、「いつ、どこの会場で録音されたのか」ブックレットに表記がないこと(toriphileとしては欲しい情報なのですよ!)
アルバム概要:当初は過去既発のシングルB面といくつかの新曲を合わせたアルバムを一枚と、Plugged Tourのライブ音源を集めたライブ・アルバムを合体させた作品をリリースする予定だったのが、最終的に全曲新曲のスタジオ・アルバム一枚とPlugged Tourのベスト・ライブ音源アルバムとして二枚組みでリリースされた。