Book | Tori 関連の著書

Comic Book Tattoo

Comic Book Tattoo

  • 発売日:2008年7月
  • 出版元:Image Comics

レビュー、メモ

おなが レビュー

Tori Amos の歌からインスピレーションを得て描かれたアンソロジー・コミック(漫画)集。

まず、本が大きくて重い!私は、二種類(ハードカバー版と限定版)持っているのだが、どちらも軽く3Kg以上はあるはず。大きさ、重さを考えると、持ち運びには不向きな本で、鞄に忍ばせて電車で読むのは、まず無理。自宅でコーヒーを飲みつつ、Tori のCDを聴きつつ、読む本、あるいは見て楽しむ本。けれども、この本の大きさは、じっくり絵を楽しむ本という意味では、メリットであると思う。

Comic Book Tattoo には51作品収録されていて、参加作家は80人以上という大所帯なこの本。序文をNeil Gaiman が担当し、後書きをTori と本の編集者であるRantz Hoseley が担当している。

表紙の格好良い絵は、Tori をイメージしたもので、Jason Levesque の手によるイラスト。ちなみにJason Levesque はイラストのみの参加で、コミックは無し。作品全体の印象は、歌詞に忠実なストーリーの漫画は殆どなく、各曲のタイトルから着想を得て、各作家が独自にストーリーを編んだものが多勢を占めている。自由な形式で作品が描かれているので、はっきりとわかりやすいストーリーのある漫画、抽象的なストーリーの漫画、台詞が無い漫画、イラストまでと多彩な内容。全作品の感想はとても書けそうにないので、いくつかお気に入りの作品について以下に述べる。

Flying Dutchman By David Mack
筋書きのある漫画というよりも、Flying Dutchman の歌詞を元にイラストを描いたもの。この作品を読んで、Comic Book Tattoo という言葉は、Flying Dutchman からの引用だと気づいた。

Bouncing Off Clouds By Josh Hechinger & Matthew Humphreys
空を飛んで郵便配達をする女の子の話。ストーリーとイラスト共に明るい印象で、好感が持てる作品。

Merman By Jason Horn & Dean Trippe
極端に少ない台詞で読ませる漫画。石像の女性に一目惚れする(男の)人魚の話。

Marianne By Kako
イラスト作品。蜜蜂と花、遊園地。黒や灰色といった暗色の中に赤を配して、コントラストが美しく、見る人に強烈な印象を与える。収録作品の中で、一番好きなのがこれ。

Jackie's Strength By Jeremy Haun & Amber Stone
台詞が完全に無い、無声映画のような作品。Jackie's Strengthのミュージックビデオと繋がっているのかな…?と思った。きれいな女性が主人公。

Teenage Hustling By C.B. Cebulksi, Ethan Young, Joey Weltjens & Lee Duhig For Guru Efx
この作品も台詞が無く、絵だけで読ませる。狭い人間関係の中だけで、性欲解消!という凄い内容。面倒で疲れそうなこんな人間関係、私は嫌。

Snow Cherries From France By Irma Page & Mark Buckingham
女の子と呼ぶにふさわしい、小さい子供たちが主人公。好きな男の子と庭で遊んで、メルヘンチックな世界を夢想するというただそれだけの話。されど、子供の儚い恋を上手く描いており、絵を見て懐かしい気持ちになった。

Space Dog By Matthew S. Armstrong
SF漫画。台詞が無く、絵だけで読み手にストーリーを理解させるのは、難しいことだと思う。このSF漫画は、それが出来ている。カラーの部分が夢(空想)で、モノクロの部分が現実。最後に空想と現実が交わるところは、面白い。

Silent All These Years By Kelly Sue Deconnick & Laurenn Mccubbin
イラスト作品。窮屈そうな女性が、服を脱ぎ捨て、人魚になるというもの。

Past The Mission By Ted Mckeever & Chris Chuckry
幻想的なストーリーの漫画。殺人を扱っていて、ショッキングな内容。

以上、私が個別に感想を書いた作品は、ほとんど台詞がないか、全く台詞のないもの。英語(特に口語表現)を十分理解していなくても、Tori の歌を良く聴いている人なら十分楽しめる作品集なので、多くの人に読んで(見て)欲しい。