


このシリーズ中一番好きな公演。ボーカル、演奏、選曲、オーディエンスの反応、いずれも素晴らしく、とても感動的なコンサート。
(1)「You are not alone!(あなたはひとりじゃない)」という力強いメッセージが胸を突く。
(2)粉雪が空からきらきらと降ってくるような有様を思わせるピアノ前奏、Toriが歌い出すと劇的に曲が展開して、またきらきらした雰囲気の前奏部分に戻って曲を閉じる。短編小説やショートフィルムを見ているような錯覚に陥る素晴らしい演奏。
(3)この日、Toriは41歳最後の夜で、バックステージでお祝いをしたこと、オーディエンスからの祝福に感謝を伝えて演奏を開始している。Amberは、ピアノとハモンドオルガンを弾き分けて格好良く決めている。
(4)十分なブレスを取った上で間を持たせて歌い継ぐというTori独特の歌唱法で、アルバムでの演奏よりも相当ゆっくりと丁寧に歌い上げている。ピアノだけで演奏していて良演。
(6)生々しい声で歌っていてとても色っぽい。ハモンドオルガンとピアノを弾き分けている。
(8)この曲のカバーはToriにぴったり。転調を繰り返す複雑な音楽、切ない歌詞、声音を使い分けてまるで他の人とデュエットしているような印象を与える独り芝居さながらの演奏。オーディエンスの反応もすごい。僕はこの曲だけを聴きたくなって、このCDをよく聴く。
(9)お馴染のカバー曲。SingleCD収録より低いキーで歌っている。
(1)ピアノとハモンドオルガンを織り交ぜた鍵盤統合スタイルで演奏。曲の終盤は圧巻。
(2)この曲がCDに収められているのはこのライブ演奏版のみ。貴重な音源。
(5)Bostonにちなんだ選曲でオーディエンスが大いに喜んでいる。ピアノ伴奏でロッカバラードになっていて美しい。(6)前奏をToriが弾き出すとオーディエンスから大歓声があがる。好演。
(7)セカンドアンコール。Fender Rhodesで伴奏。弾き語りで聴くと鎮魂歌的な雰囲気が一層増して悲愴で涙を誘う。
(8)終曲に相応しい選曲。ハモンドオルガンで1コーラスを歌い、2コーラスはピアノで伴奏していて曲の雰囲気がガラっと変わり面白い。オルガンの音は教会音楽を思い出させるもので神々しい。
鍵盤楽器だけの弾き語りで展開したこのツアーは、Toriの音楽原点に立ち返るものであり、生に近い状態で音楽を楽しめる。一連のライブ盤は、バンドサウンド主体のアルバム(The Beekeeper)と対をなしていて、同じ曲でもアレンジ(演奏)によって全く違う雰囲気になるのかと興味深く思う。
このシリーズ中1枚だけおすすめを選ぶとしたら、41歳最後の夜に行われたこのボストン公演になる。


「The Beekeeper」のリリース後、2005年春から夏の終わりまで行われた「Original Sinsuality Tour(春)」と「Summer of Sin Tour(夏)」のライブ音源集。当然、The Beekeeperからの選曲が多めだが、過去のアルバムからもバランス良く選曲され、インターネット上でToriに歌ってほしいカバー曲を募るなど、面白い企画も実現した。
コンサートで取り上げる曲目について、Toriは「完全に一致するセットリストの公演は無い」とコメントしている。
「90%はその日に起こった個人的な出来事で決めて、その次にその日に起こった社会的な出来事で決めるといった具合よ。」(キーボードマガジン2004年3月号より)
このツアーはUS、EU、そしてファンの熱心な署名活動によって決定し、11年ぶりのオーストラリア公演が行われた。ライブ音源CDは春のアメリカ公演から3つのコンサート、イギリス公演から2つのコンサート、夏のアメリカ公演から1つのコンサートが選ばれている。
当初はインターネットのみで販売開始、2005年末にCDショップでも販売され、クリスマスに合わせてBOXセットも発売された。現在、BOXセットの販売はなく、CD単品での販売のみとなっている。BOXセットには特典として、「The Beekeeper」の各庭をテーマにした6枚のシールが入っている。(以下に掲載)
余談:
「The Beekeeper」を許せないという初期作品からのファンの方々に是非聴いてほしいライブ音源。ピアノとオルガンを組み合わせたToriの弾き語りなので、初期作品のようなアレンジになった「The Beekeeper」収録曲で、きっと目から鱗が落ちるだろう。